― 夢二を世に出した女性とは
岸他万喜(たまき)は明治15年に金沢市味噌蔵町の旧加賀藩士・岸家の次女として生まれました。金沢で女学校時代までを過ごし、富山で一度目の結婚と死別を経験、そして数え年25歳で東京に出て夢二と巡り会います。
明治末期に一世を風靡した「夢二式美人」の原型となったほど、その大きな瞳の容貌はたいそう美しいものでした。
また、夢二における日本画の素養や聖書の教えなどは彼女自身の歩んできた道から受けた影響が大きいとされ、二人の関係には興味深い逸話も数多く伝わっています。
上京後、独学で道をひらいた異色の青年画家・竹久茂次郎(夢二)、そしてやはり上京後に、出会った青年画家に翻弄されながらも彼の人気を築き上げる時代を共に生きた他万喜。この二人の関係には夫婦の情愛のみならず、時代を象徴する新しい男と女の生き様をみてとることができるのではないでしょうか。
